モリタヤスノブログ3.0

福岡大学商学部 森田泰暢のブログです。のらりくらりキラリ。

チェックリストを言語化したい衝動に駆られる:油津応援団の木藤亮太さんとオールユアーズの木村昌史さんの講演から

先日、福岡大学の杉本先生の講義で油津応援団の木藤さんのご講演を聞く機会があった。


(飛田先生、杉本先生と福岡市の商店街関連事業も手がけている)
www.city.fukuoka.lg.jp



先々週は武さん企画でオールユアーズの木村さんのトークショー
camp-fire.jp

両者のお話を聞いて、振り返りと願望と。

株式会社油津応援団の木藤亮太さん

宮崎県日南市の油津商店街の活性化に尽力をされた方。現在は那珂川市の街づくりにも関わっていらっしゃる。
www.facebook.com

担当者選定のプレゼンでは手書きの模造紙を使って、商店街の方に向けて油津の未来へのプロセスを描き出す。
活性化の担当者に選ばれた決め手は「プレゼン後の懇親会での焼酎の注ぎ方」と言われたという。コミュニケーションを取りながら一緒に街を作っていける存在であるか、という意味だ。

選ばれた後も、木藤さんは商店街のみなさまとコミュニケーションを多く取られている。選定した日南市の方々もすごい。
この街は何を大事にしていて、どんな人たちがどういう思いで暮らしているのか。商店街内をヒアリングしたり、街の人が木藤さんに重要な関係者を引き合わせる中でお話を聞かれたり。
じっくりと地域に入りこみ、リスクを背負いながら応援してくれる人を増やして巻き込んでいく。どんどん仕掛ける。

「油津商店街にくると何かができる」という雰囲気作り。場を作ることで街の人々の取り組みが自然発生するポジティブな制御不能スパイラル。今を起点としたゼロベースでのデザイン。素晴らしい。

オールユアーズの木村昌史さん

24か月連続クラウドファンディングに成功し、これまでに累計5,200万円以上の支援を受けるまでになったアパレル企業。
allyours.jp


手がけたものは「着たくないのに毎日着てしまうジャケットとパンツ」が有名。

その他にも、「ずっと黒いままのチノパン」「洗濯して3時間で乾くから毎日洗濯できるチノパン」と多くの商品でクラウドファンディングを成功させていらっしゃいる。

クラウドファンディングの成功プロセスなど語られることは多々あれど、私はこのクラウドファンディングの名付けがいつも気になっていて。

「毎日着てしまうジャケット」でも嘘くさいし、「着たくないのに着てしまうジャケット」だと少し足りない気もする。
「漆黒のチノパン」「永久に黒いチノパン」よりも「ずっと黒いままのチノパン」のほうがなんだかイメージが浮かぶ。
「洗濯して3時間で乾く」なんてつくと「毎日洗濯できそう」と思えちゃう。「速乾チノパン」は足りない。「毎日洗濯できるチノパン」はそらそうやろ、だ。

ただ引くだけでもなく、少し足すような表現。
木村さんは「小学生にでもわかる言葉で説明すると本質的なところだけ残っていく感じがある」とお話されていた。

この表現における過不足や抽象と具体の調整が絶妙。

チェックリスト

木藤さんは商店街内の方々とお話をされていたときに「問診をするように」という表現をされていた。
問診は医学的見地に基づいて行う。
患者に医師が問いかける。患者の話を聴きながら、こういう症状の場合は、3つの病気のうちどれかだろうなと考える。また患者に問う。この症状も重なる場合はそのうちの2つ。そして「●●みたいなことってありません?」と投げかけて絞り込む。医師の頭の中に存在するチェックリストに基づいて対話が進められる。これとこれとこれにチェックが入ったらきっとこの病気だ、と。


木藤さんも絶対に、地域の方とのコミュニケーションの中でここが大事というチェックリストを暗黙的にお持ちのはず。

木村さんもそう。絶対に、「この表現でいけそう」となるチェックリストを頭の中にお持ちのはず。

Xデザイン学校の浅野先生もビジネスインタビューの脳内チェックリストをお持ちで(これは教えてもいただいたけど、でもまだきっとあるはず。佐藤さんも絶対にある)。

プロが持つチェックリスト、興味深い。

チェックリストを明らかにすることで何かの役に立てたいというよりは「なるほどなあ」と言いたい。

インタビューしながら頭の中のチェックリストを可視化するイベントやってみたいという衝動に駆られたというお話。