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モリタヤスノブログ3.0

福岡大学商学部 森田泰暢のブログです。のらりくらりキラリ。

商品企画をマーケティングのフレームでやった場合とUXデザインのフレームでやった場合とで学生はその違いをどう捉えるのかメモ

久々だし、書く内容もだいぶ前のものだけど更新。
今までやってきた実践活動も更新しないとだなぁ。。。

夏休みに行った非常勤講師での内容です。

商品企画をマーケティングのフレームでやった場合とUXデザインのフレームでやった場合とで学生はその違いをどう捉えるのかメモになります。

基本的には商品開発関連の授業ではあります。
3日間の集中講義だったので演習も入れながら。


初日はマーケティングではベタな「市場機会の発見」や「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」(以下STP)、「Product」「Place」「Price」「Promotion」の4Pについて講義。(理解を進めるために各概念ごとの演習をいれつつ。講義だけは寝てしまうしなぁ。。。)


2日目は上記のようなマーケティングのフレームを使って商品企画の演習。

3から5名のチームを5つ作ったかな。

一応条件として

・市場機会 ⇒駅前にあるランチに対して色々な意見はあれどこれという店がなく決め手に欠けている。
・STP ⇒ 30から40代の男性。仕事バリバリタイプ。一人で仕事を済ませてさっさと取り掛かりたい。
・ポジショニングマップから安くて店内で済ませられるうどん店をやることが大きな方向性。

と、した上で4Pを考えてみるという演習。
うどん店でのメニュー、販促、価格などの要素がターゲットにフィットしているか、要素間にも一貫性があるかなどを意識しながら作っていきプレゼン。


3日目は今年から取り入れ始めたUXデザインの手法を用いて。

条件や流れは

大学の学生が使う学内向けアプリの企画
・大学内で改善すべき点をブレスト。KJ法でカテゴリにまとめる。
・改善したいカテゴリを一つ選び、それに関するアプリを企画することに。
・チーム内インタビュー
・ペルソナ作り
・バリューシナリオ
・アクティビティシナリオ
・インタラクションシナリオ


で、ペルソナ作りと構造化シナリオ作りを行いながら、所属大学の学生が使うアプリケーションを考えてみる、という形。


ターゲットやテーマが違うので単純比較はしにくいですけれども、2つのやり方で商品企画をやってみて、どのような違いを感じたかについてアンケートを取ってみました。自由記述。

それについてまとめておきます。回答してくれたのは21名。


【やりやすい−やりにくい】

・STPと4Pでのターゲットのように30から40代男性と幅広く見渡せるほうがやりやすい。

・STPと4Pのほうがざっくりしていて考えやすい。UXDのほうが難しく、本当にその人のためを考えることが多いと思った。

・業界や市場の特徴から考えるほうが理解しやすかった。

・4Pに当てはめていくという点ではスムーズに進んだ。ペルソナを作るほうがニーズにしっかりあう企画になると感じた。

・4Pのほうはそれぞれの関係が図式化されて表現されるのでわかりやすい。UXDはストーリーで文をしっかり読むことで理解が深まる。どちらもわかりやすさはある。

・STPと4Pはターゲットの幅が広い分いろんな考え方や価値観が生まれてくるし、その立場に立とうとしてもたくさん考えが生まれすぎて混乱する。幅が狭いほうが改めてユーザーにも質問ができ、より欲しいとか使ってみたいと思える商品ができるのではないかと思った。
その人になりきって想像するのはとても難しいと思った。特にターゲットが自分とは年齢層など離れている場合に。

【楽しい−楽しくない】

・STPと4Pのほうが楽しかった。今までにないものを提供しようと創造力が働く気がした。UXDのほうはターゲットが自分たちと重なっていることもあり、先入観にはまって他の班と似たようなものになってしまった。より現実的な開発になると感じた。

・UXDのほうが楽しくやれた。対象者の性格を細かく知ることができ、「この人ならこんなのが好きだろうな」「こういう生活スタイルならこれがいいだろうな」と想像することが好きなのでやりやすかった。

【集団−個人】

・STPと4Pは集団に注目した商品企画、UXDは個人に注目した商品企画だと思った。STPと4Pのほうは、ある集団に企画をしてもユーザーに届かなければ意味が無いと感じ、UXDの商品企画はユーザーの心をキャッチしても、その個人に属する集団が少数派であれば少し意味がないように思えた。

・STPと4Pのほうはターゲットはこういうことを気にしている集団のため、こうしていくと考え、4Pの相互作用など考えるものだったと思う。UXDはよりターゲットについて細かく知り企画していくため、1人1人の性格を重要視しているように感じた。そのため、性格や体験を細かく聞いて考えていくので時間もかかり難しかった。

・STPや4Pの考え方はターゲットはある程度絞っているものの多くの人に関心を持ってもらうことを考える必要があると感じた。UXDのほうはある特定の対象者に対してなので考えやすかった。

・STPや4Pは集団。UXDは1人の人格に対して。細かく絞って考えるほうが考えやすかった。

【視点・目線】

・STPと4Pは製造側目線で考えて進める商品企画。大きなくくりでのターゲット設定なので大企業や大きなマーケットがあるなら適切だと思った。UXDは1人に絞ってやるので詳細に決められる。スーパーやコンビニでも商品の差別化があまり見られないので、UXDでより商品の差別化ができるのではないかなと感じた。多くの人に満足してもらえるのかはわかりませんが。消費者目線で考えることは製造者目線で考えることよりも難しいことがわかった。

【その他】

・STPや4Pは分析型で世の中に存在するあらゆるものに目を向けて、求めているものはなんなのか、世の中に無いものがないかなどから開発していく感じだった。UXデザインは対象となる人がいて、インタビューなどを通じて必要な物がなんなのか知ることができると思った。

・UXDは質問の仕方や言葉から思い浮かべるものについて考える機会になった

・UXDはシナリオの流れを考えるのが難しかった。実際に商品企画をする場合はSTPと4Pを使ったほうがターゲットを1人に絞らない分、いいと思う。UXDはすでにある商品の改善を行うときに使うと良いと感じた。


以上になります。
どう感じられましたでしょうか。
ワークを行う前に提示している情報量や条件は違っていますので、そこも影響しているでしょうけども、学生の発言が「間違っている」ってことは無いと思うんですよね。純粋にそう感じたんだということです。
この後に前回の記事のDMMさん主催のワークショップに参加しましたので、もっとうまく指導できたなぁという点があったことは否めませんが。domino613.hateblo.jp


というメモでした。