モリタヤスノブログ3.0

森田泰暢のブログです。福岡大学商学部の教員でヒマラボの代表理事でもあります。思えば遠くへ来たもんだ。

ゼミでビジネスモデル・キャンバスを作った時の学生の感想などメモ

ゼミでビジネスモデル・キャンバスを作ったメモ(2016年5月18日の)。

お題はLINE。前の週に課題として各自調べてくることにして、3チームに分かれて課題を見せ合いながら付箋で拡大したビジネスモデル・キャンバスの各項目を埋めていく。
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埋め終わったら、他チームのキャンバスに移動して自チームとの比較。
そのままキャンバスを眺めながらLINEの新規事業も(思いつきでもいいので)何か発表してみよう、で終わり。
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その後、ビジネスモデル・キャンバスをやってみての感想。難しかった点も併せて。
感想内容は下記の通り。


項目についての内容

・CHとCRが難しかった(4人)
・KRと他の項目との結びつけが難しかった
・CRについて一番考えた
・CHやKAが難しかった。
・CRを深めることでどのような新事業やサービスを始めたらいいかわかると思った(リスクを考えながら)

「CR」は表現が難しいですよね。サービスデザインなんかを考えるとこの「関係性」って本当はキモであるかなとは思いますが。
だからどういう関係性を作るのか、維持するのかを深めることで、ビジネスにおける「リスク」も同時に感じられるというのは面白い意見です。


協調的な学習についての内容

・自分一人で考えた時は何も考えずに埋めていた。みんなで埋め直すことで全部の項目が繋がっていて面白かった。
・他のグループや他の人と話している間に思いつくことがたくさんあった。自分ができなかった部分でも他の人はたくさん書いていた。
・一人ひとり色々な考え方があると思った。発想になかったアイデアが出てきた。
・自分一人ではわからないことが多かった。みんなが書いてきたものを見て、自分には無かった考えや表現を知ることが出来た。
・人の考えを聞き様々な考え方があるなと思った。社会にはたくさんの人がいるのでその分だけ考え方の複雑さがますので、企業は顧客ニーズを考えることがとても難しいのではないかと思いました。
・1つのことでも見方によってどんどん奥が深くなっていき、複雑さを増すので様々な立場から見ることの大切さを学べました。

考えずにやってたことが、面白くなったというのはええことですな。
わからない⇒わかる⇒わからない、となるのが1つの演習内の理想ですね。ちょっとわかったけど、顧客って複雑だろうなぁ、でそこからどうやって考えるんだろう、となるのはええんですよ。


その他感想

・2年の時に1度やりましたがほとんどやり方を忘れてしまっていので何回か練習したい。
・ビジネスモデルキャンパスを考えることで企業活動が可視化されて具体的な意見を考えやすくなった。
・ビジネスモデルも1つの流れに沿ってできてあるので、その流れを見てなるほどとは思った。わかりやすい。
・企業活動を細分化することで理解を深めることが出来た。
・知っていそうな企業でも繋がりを見ることで、コストから収益までが見えたり企業をより深く知ることが出来た。パートナーの組み方によって更に売上をあげたり、コストを削減できる所があるんじゃないかと思った。
・文字での表現が難しく、書くことが難しかった。

ツールも使わないとやり方忘れますよね。そして忘れたものは使わなくなりがち。
「文字での表現が難しい」は結構大事な点で。バリュー・プロポジションは商品やサービスそのものを書くのは簡単だけど価値レベルで表現するときには少し抽象化する力が必要で。これもまた協調的に考えたほうが良い所かもしんないですね。


ということでしたー。

この日から各学生、毎週1枚ビジネスモデル・キャンバスを書いてくることを課題にしております。