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モリタヤスノブログ3.0

福岡大学商学部 森田泰暢のブログです。のらりくらりキラリ。

ゼミにおける実践と研究の共存

昨年、企業と連携した商品企画のプロジェクトに参加した学生たちの話です。
彼らは3年生で、とあるゼミに所属していました。そのゼミの指導教員と私が仲が良かったため、「もしよかったら先生のゼミの学生も参加してみてください」と声をかけたことから参加の流れになっていったと記憶しています。そのゼミの指導教員からはGPAは決して高くなく留年しそうな学生もいるということは事前に聞いていました。

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商品企画ですので、基本的にはテーマを頂いてそれに対してアイデアを提案するという一般的なものでした。
ですがやはりアイデア出しは難しいものです。

イデア出しに詰まった彼らは、ゼミの担当教員と一緒に考えることを選んだそうです。
ゼミの時間やそれ以外の時間でもアイデアをぶつけてはダメ出しされたり、プレゼンテーション資料を作っては流れが論理的でないと叱られたり。ファミレスで食事しながら考えていた時も気づけば深夜になったりしていたとのこと。

彼らはそういった行動の末、企業からはプレゼンに対して良い評価を頂くことが出来ました。

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そして彼らは4年生になり、卒業研究に臨むことになります。

彼らは商品企画のときのように卒業研究のアイデアを出しては、またダメ出しを受けたり、論理性の指摘を受けたり、そして教員のほうからもそのアイデアであればこのような分析手法はどうだ、と言われては再度その手法について自分たちで調べてみたりしていたそうです。

今年の12月、経済学部のゼミナール発表会で彼らはその研究成果について発表をしました。

結果は「優勝」でした。

GPAでは3点を超えているような3年生にその発表について聞いてみると、「ああいう研究が4年生って出来るんですね。すごいと思いました」と尊敬の意味を込めて答えてくれました。後輩にも影響を与えられるまでに。

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商品企画の実践と卒業研究。

プロジェクトの実践と研究は相反するもののように語られることは多いですよね。

3年生の彼らは、プロジェクトの実践を通じてゼミの教員とのインタラクションスタイルを形成していきました。

そしてそのスタイルを保ったまま4年生の卒業研究に臨み、専門性高い指導教員とのインタラクションを更に続けることで自身の研究を構築しブラッシュアップしていく行動を取っていけるようになりました。

その指導教員に聞いてみたところ実はゼミナール発表会に近づくにつれて指導の量は減らしていたという話もされました。少しずつ手を離れて、小さな指摘で研究を深められるようになっていったようです。

プロジェクトから研究発表会への流れを目にし、その指導教員とも多くの会話をする中で、
「実践を通じた『教員とのインタラクションスタイルの形成』を行うことで、その後の研究指導や研究内容の向上に結び付く」
という発見がたまたまですがありました。

自然とこういうことを行っている先生方もいらっしゃるかと思います。

私もところどころやっていたかもしれません。でも基本的には無意識的にやっていました。来年以降、インタラクションスタイルの形成を意識しながらやってみてもいいかなと考えています。

短大時代の学生の振り返りでも、コミュニケーション力や工夫する力などはプロジェクトで身についたと感じるけど、「考える力」だけは卒論だと答える学生が一番多かったんですよね。実践と研究とは相互補完するなぁと思ったこともあります。教育という観点ではそういう相互補完を意図的に埋め込むかどうかということなんでしょうけども。

研究は楽しいです、と話す学生は思ったよりも多いものですから、更に楽しくなるように頑張っていきたいですね。

そのほうがきっと教員も楽しいかなと思います。


学生とプロジェクト実践を行うことが多かった6年間ではありますが、PBLはまだまだ深さがあるなぁと感じている次第です。