モリタヤスノブログ3.0

森田泰暢のブログです。福岡大学商学部の教員でヒマラボの代表理事でもあります。思えば遠くへ来たもんだ。

20181103 Xデザイン学校大阪分校BC 第7回ストーリーテリングに参加

大学内の色んな演習や学外からのお声がけに対応しつつアメリカへも行ってしまい寝不足と時差ボケがある中での第7回。

この日は午前中からチームで集まってインタビューのやり直しと簡単な上位下位分析。ペルソナの修正のため。この時点からエネルギーも使い、終わったら甘いものを買ってYahoo!大阪へ。他のチームでも前日に集まったところもあったそうで、大阪分校は確かに「真面目」である。

この日はストーリーテリング。構造化シナリオ法のバリューシナリオとアクティビティシナリオまで。ユーザービリティの定義との連関などもあり、自分の中にチェックリストがまたできた。

バリューシナリオ

本質的欲求とビジネス情報とチームで以前考えたサービスアイデアも踏まえ、書き出す。ここまでのプロセス全てが統合化されるがゆえに、ズレも気になる。プロセスとプロセスの継目は大事。戻って考えたくもなるけどそこまでの時間は無く(でも考えてしまうので時間の猶予は今回少しいただけていた)、以前のアイデアを元にする。BtoBtoCのサービスになっているので、後半のBtoCの部分を抽出して書くことにはしてみた。
欲求も抽象化しすぎるとシーンに落ちてこない。「利用状況の変化」を捉える上で、どんなシーンで何をしたいか。商品コンセプトにおいての基本だ。状況を伴う欲求のレベルか、は上位下位分析での抽象化レベルの確認にも使えそう。

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アクティビティシナリオ

次にシーンごとのシナリオを書く。ここまで出来ればその後プロダクトが完成するまでこれらに基づいてテストを重ねることができるようになる。被験者選定やテスト時の行動も効率的かつ効果的になる。その後、他のチームのものも見たり、自チームのものも改めて見たり。

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アクティビティシナリオは、インタフェースにおける専門用語は使わずに行動のみを記述するので、そこまで削ぎ落とされると「あれ?これってもうこの工務店が今やってることじゃないの?」と単にインタラクションが変わっているだけであることにも気づく(丁寧な対応がより丁寧になっているだけ、簡単になっているだけ、とか)。つまりあんまりインパクトのあるバリューの変化に繋がってないかも、という感じ。全体のプロセスがわかっている人であれば、もっと前段階でこの辺りに気づけそう。またチェックリストが増えた。内省をしておけば2回目はもっとうまくできる。バリューシナリオ、アクティビティシナリオがしっかりしていれば、時代の変化に伴うインタラクションの部分は柔軟性を持って書ける。

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事業の定義、プラットフォーマーとサービス、インサイドアウトとアウトサイドイン、問題の3定義についても具体例をもとに追加講義も。プラットフォーマーになろうとする、もしくはプラットフォームをうまく活用するサービスを作ろうとする意識やそのプロセスの思考を改めて刺激していただけた。どうしてもただの「新製品開発戦略」(今のお客様に新しい製品の提供)か「市場開拓戦略」(今の製品を新しいお客様に提供)になってしまうことが多い。リソース踏まえて新しい収益の柱を考えないとだ。

「好きなことの概念化は難しい」も印象的で。スポーツ選手のセカンドキャリア構築の難しさにも繋げて考えたり。全国大会行くレベルのスポーツ推薦で入った学生がそれ以外でからっきしになるケースを結構見てなんとかならんかいなと良く思ったけど、この辺りも関係していそうだ。場面や文脈が変わると自分の力の応用がきかなくなる。自分自身にも当てはめつつ。

ビアバッシュでは山縣ゼミの濱くんと話したり、佐藤さんと深センや地域のビジネスについて少しお話も。深センでのe-sportsのことも教えてくださった。発信すればインプットもある。佐藤さんはまた「何でも知っている」レベルを高められていて感服。地域の面白さを聞くたびに、逆に都市部の豊かさについての関心が自分の中で強くなってきている。街が便利になる(標準化が進む)ことは、域内の相互コミュニケーションがなくても生きていける状態になっているということなので、人はたくさんいれどお互いのことは何も知らないが起きる。都市部の課題が興味深いけど、その辺はまた少し個人的に考えよう。地元関西のことは気になる。特に神戸(兵庫)は気になってしまう。


5時間があっという間に終わった。次回は台湾WSに行こうか。一度チームメンバーにも相談しよう。あと2回で終わりは寂しさもあるなあ。