モリタヤスノブログ3.0

森田泰暢のブログです。福岡大学商学部の教員でヒマラボの代表理事でもあります。思えば遠くへ来たもんだ。

20181006 Xデザイン学校大阪分校BC 第6回ユーザー情報の可視化に参加

台風から逃げるように前日から関西入り。京都でのフィールドワークから約1か月たっての学校。シャープの小山さん、小野寺さんとランチを食べて向かう(研究生なのに到着遅くなったのは私のせいです。すみません。。。)。

今日は「ユーザー情報の可視化」。ユーザー調査結果の可視化手段としてのペルソナ。今日はチーム内でインタビュー→上位下位関係分析→ペルソナまで。
結果的にはサービス開発の意図とはずれたペルソナになっていた。「チームとして」どうすればインタビューをより良くできたかについて考えさせられた。

インタビュー実施

今回は私がインタビュイー。学生がインタビュアーで、他3名で書記など。師匠と弟子モデルを再確認してからスタート。聞かれた通りに答えていく。

好きな動物や尊敬する人、趣味や好きな映画も聞かれた。なぜだろうと感じたけども、なるほど私の全ての好き嫌いや価値観に触れようとしていたようだった。再確認すべきはこのインタビュー何のためにやるんだっけという「目的」の方だった。「師匠になろうとする」が「師匠の全てを知ろうとする」になってしまっていたように感じられた。最終目的は工務店に対するサービス提案だし豊かな生活についての調査。私が生活圏を転々としていること、今まで住んでのんびりできた場所、などの質問もあった。暮らしや生活にも触れようとしていただけに、目的の共有をもう少ししてあげられれば良かった。学生だからインタビューポイントの引き出しも少ないので、もう少し短時間で終えて、周りからのフォローを入れても良かった。「直接豊かな生活について聞いても答えてくれないよ=本題から遠い場所から聞いていく」と感じていたという話も学生から聞けた。学生によるインタビューのトライは良いとしても、なんにせよ聞き手側が複数名で臨むのであれば、チームとしてインタビューを成立させる計画が簡単にでも必要だった。反省っぽい書き方だけど学習が多かった。

仕事とプライベートについても聞かれた。最近仕事重なっていたので、そう聞かれると仕事の話が多くなる。気づけば仕事の話が軸になっていた。プライベートを軸におきながら仕事について聞くとまた違う結果になっていたかもしれない。インタビュイーが気持ちよく話す=良いインタビュー、ではない。

上位下位関係分析

インタビューは仕事軸での情報が多くなってしまった。仕事の価値観ではあるが、上位下位関係の分析結果自体は、自分の欲求をうまく言語化された感じがした(的は外れているけど)。抽象化しすぎた場合に1段上のレイヤーを活用するのは目鱗だった。

上位下位関係分析はどのくらいの抽象化すると良いかが悩ましいとは思うが、これはインタビュイーを経験すると感覚が掴みやすそうだ。自分がされたインタビュー結果に基づいて欲求が言語化されていく時に「うーん、そこまで抽象的に自分は考えてないな」とか「そうそう確かにその表現がしっくりくる」と納得できる。このくらい具体的に書くとユーザーインサイト言語化した表現なるのかもなと感覚的にわかる。インタビュイー役の人は、インタビューへの回答を恣意的に操作する訳にもいかないし、自分自身が対象なだけに分析への介入にも少し抵抗感を得るようなモヤモヤを持つかもしれないが、自分を分析されるプロセスの中には大きな学びがあるんじゃないだろうか。

ペルソナ作成まで

ということで結構仕事の価値観に溢れたペルソナにはなってしまったので良いわけではないけれども、一連の流れについては理解が進んだ。目的を確認することはチェックリストに入れていいレベルで重要だということは改めて良くわかり(書いて貼っててもいいくらい)、インタビュー内容がその後を決めることも理解できた上で、上位下位関係分析の感覚は少し掴めた(かもしれない)。今回も学び多き1日でした。

1に目的、2に目的。組織やチームの成立条件だよねバーナードさんと改めて。フィールドワークの時は一呼吸おいて目的に沿ってやろうとしたもんなあ。
新人や学生がインタビューにトライする時にチームとしてどうサポートを入れてあげるとより生産的かつ学びもあるものになりそうかを考える機会にもなった。もちろん適したインタビュアーがインタビューすればいいだけというシンプルな解決策はあるんだけども。

台風の影響もあるので懇親会は無しだったけど、終わった後も話し合うチームも多くて、それはシンプルにいいなと思いつつYahoo!さんを後にしました(反省するときは腕を組むか、アゴに手をあてがち)。
本題と関係ないけど、「やればやるほど自分や家族にとってマイナスになることはやらないと決めた」という浅野先生の言葉も心には残った。