モリタヤスノブログ3.0

森田泰暢のブログです。福岡大学商学部の教員でヒマラボの代表理事でもあります。思えば遠くへ来たもんだ。

20180902 Xデザイン学校大阪分校BC 第5回質的調査の分析に参加

今回は2日間にわたる内容。1日目がフィールドワークから価値マップ作成まで、2日目が価値から「豊かな体験」パターンの作成とそれを用いたサービスデザイン。

私は二度、パターン作成は経験している。

domino613.hateblo.jp
(よく考えたら、この時にもう、きよえ氏さんとは会っていたのではないかという・・・)

domino613.hateblo.jp

そして二度目の時に

ただいつも、構造化はそれらしくできるけれども、パターンのところがうまくいっていないことが多い。
マッピングしたものを、ある意味「解体」して、面白い発見事実に着目しなおしてパターン化している感覚があります。
今回だと最初の価値マップのまとまりから出たものよりも、学生がふと気にした「人ってざわざわしたところに集まりたがる」という発見事実からパターンが生まれていた。
価値マップのところから、そういう面白い発見事実をまず大事にしながら作ってかなきゃだめだな。まとめることを目的にしてしまう。

と書いていた。

価値のまとまりがちゃんと一つのパターンを構築していないことへの内省。今回はこの価値マップからパターンにちゃんと繋がっていくかは自分の中で大きなテーマだった。チームメンバーの八巻さんも同じ考えもあったようで、、1日目の夜にホステルの1階で価値マップを読み直す会もやっていた(黒河さんも佐藤さんも参加してくださいました)。


パターンの作成

パターン作成シートが扱いやすくなっていた。これはまさに開発の賜物!パターン名の説明もしやすいフォーマットに。5つほどある価値のまとまりから3つを選んでパターン化。
ひとつめのパターンは全員で。じっくりじっくり考えて、こりゃ間に合わんと昨日の2チームに分かれて残り2つを1枚ずつ作成。ひとつめをじっくり考えたからだろうか、制限時間内にはなんとかパターン作りは終わり。


講評の中で印象に残っていたのは、社会システムに着目できているとパターン数は少ない。個人の行動に着目してるとパターンがいくつも生まれたようになってしまうと。それは確かにそうかもしれない。いい価値マップを書けたことは良かったけども、一つのカテゴリにうまく複数のKAカードが入っているだけに共通したインサイトの発見はなかなか骨が折れるし時間もかかるのでたくさん作れない。
ここがうまくできたのは個人的には良かった。少しわかった感じがした。

サービスデザイン

今回はここがハマってしまった。ブレストしながら「感覚的に面白そうなものを選んでしまった」。それ面白そうと言ってしまった。変に年長者が面白そうとか言ってしまうともうドツボにハマる。自分の「面白い」なんて当てにならないとひとつ前の記事で熱く書いときながら。面白そうベースで考え始めるのもひとつだけど、私がそれやるとダメなんだよなあ。メンバーにどんどん話を振っていかないとだ。

パターンは早く作れたものの、最後はうまくいかず時間切れ。頭クラクラでした。
浅野先生の「年商を考えてみるのもいいよ」と高橋さんの「それビジネスモデルキャンバスにまとめて銀行行ったらお金貸してくれるかな?」は印象的でした。リサーチはそこそこいけるけど、ビジネスディベロップメントが下手くそだ。

大矢さん、堤さんへのインタビュー

1日過ぎてしまったけど、他チームでとても良い案にたどり着いていたのが印象的だったので、そのチームのメンバーの大矢さんと堤さんにメッセンジャーでどんな行動とってたかのインタビュー(懇親会の時に隣同士で飲んでいたからという理由)。大矢さんはもうblogも書かれていたので、そちらを拝見。堤さんからは「タイムリミットギリギリまで価値マップの再構成や良いパターンの発見に時間を使っていた。大矢さんからアイデアが出たのも終了間際。自分の中のチェックリストにパッと当てはまっていいなと思えた。サービス設計の時間もまたパターン作りやパターンの議論から入っていってその勢いで出せたのが良かったんじゃないかと考えている」というコメントをいただけた。

この辺りを踏まえると

・知識の収納不足で、ブレストはすれどパターンを活かせるものに至れていなかった
・パターンを作った割に、このパターンってなんでそもそも生まれたんだっけ?とパターンベースの議論ができていなかった
・きよえ氏さんが「他のパターン化できてない価値のまとまりも見た方がサービスのヒントあるかも」と貴重な意見を話されていたのに、そこへのトライができていなかった(京都市がいかにして外貨を稼ぐかに繋がる価値のまとまりがまだパターン化されていなかったので、そこはサービス化へのヒントがあったかもしれない。サービスを考えるためのパターン化だもんな)
・サービス化しやすいパターンとそうでないパターンはあるのか(あるかもしれないけど研究できるレベルのテーマかも)

などが学びとして得られた。

フィールドワークとパターンまでが良かっただけに、チームメンバーも悔しそうで「今日の最後は納得いってないですね」という言葉も出るくらいになっていた。アツいやん。ええやん。
うまく行き過ぎなかったこと、ここからもう一度ビジネスデザインを考える機会があることをポジティブに捉えよう。

帰りに新大阪に着いて、なんだか目まいするなと思って今井のうどん食べたら復活。エネルギー使い果たしてたんでしょうね。帰りもチームメンバーと少しメッセンジャーでやりとりもしつつ福岡へ。

いやはやめちゃくちゃいい2日間でした。京都というフィールドの選択もさすがでした。

本当にありがとうございました。また来月が楽しみ。

その後、フィールドワークが改めて楽しくなって、今日も大学周りの住宅を見たり。高橋さんになんでこういう建ち方するのかとか色々聞きたいこと増えました。

※blogを書いての浅野先生からのアドバイス
「なぜサービスデザインが上手くいかなかったというと前回「ゲームチェンジは生業を変えること」と言ったと思いますがそれに「お里が知れる」がつくのです。お里とは、既存のアセットのことですね。まったく何もない所から新事業を起こすのでは無く、既存のアセットを応用しないと投資額やノウハウの蓄積に膨大なコストがかかります。コンサルがよく陥る机上の空論がこれですよね。wそのアセットが何かをリフレーミングするのも腕のうちだ~」
アウトプットすると改めて大事なポイントをインプットできる。知る、わかる、できるはかなり違うのでありがたいです。そうだそうだと思いながらまた修行です。